Tourism
シャンパーニュの丘と地下蔵、ユネスコ世界遺産としての普遍的価値
ランス(Reims)とエペルネ(Épernay)の地下に広がるクレイエール(crayères)を含むシャンパーニュの丘陵・メゾン・地下蔵が、2015年にユネスコ世界遺産リストへ登録されました。
何が起きたか
シャンパーニュの丘陵・メゾン・地下蔵(Champagne hillsides, houses and cellars)は、2015年にユネスコ世界遺産リストへ登録されました。登録基準は(iii)、(iv)、(vi)の三項目が適用されています。対象となる遺産には、エペルネのシャンパーニュ大通り(Avenue de Champagne)、ランスのサン=ニケーズの丘(Saint-Nicaise hill)、そしてマルヌ渓谷の歴史的な丘陵地帯が含まれます。
とりわけ注目されるのが、ランスとエペルネの地下深くに掘られた白亜質の地下蔵、クレイエールです。その起源はガロ・ローマ時代にまで遡り、現在も数百キロメートルにわたるネットワークを形成しています。これは世界でも有数の規模を誇る地下蔵システムのひとつです。
なぜ重要か
クレイエールが持つ価値は、その歴史的深度だけにとどまりません。白亜質の地盤は年間を通じて温度と湿度を自然に安定させる性質を持ち、シャンパーニュの熟成に理想的な環境を提供しています。地下に眠る無数のボトルは、この地質的条件なくしては生まれ得ないものです。
ユネスコによる登録は、シャンパーニュ地方が17世紀以降に培ってきた醸造の伝統と、人類の創造性が地形と結びついた稀有な例として、その普遍的価値を国際社会が認めたことを意味します。農業景観と地下遺産、そして都市の建築が一体となった遺産として、観光・文化両面での重要性は高いと言えます。
背景
シャンパーニュの発泡ワイン製造の伝統は17世紀に発展し始め、以来この地方は独自の技術と景観を育んできました。ランスとエペルネという二つの都市は、その中心地として機能してきた歴史を持ちます。地下に広がるクレイエールは、単なる貯蔵施設を超え、地域のアイデンティティそのものを体現する空間です。ユネスコへの登録は、こうした有形・無形の遺産が次世代へと継承されるための重要な礎となっています。